タコスっていうと日本ではアメリカ式の固い皮にキャベツとひき肉をはさんだタコスが多いけど、本場メキシコでは皮もやわらかいし、中身の種類だって選ぶのに迷うほど。

皮はトルティージャ(Tortilla)と言い、llaをヤと発音する人はトルティーヤと言うけど、昔はトウモロコシの粒をモルカヘテ(丸い石うす)に乗せ、石の棒ででゴリゴリやって粉にして、今度はそれを練って、手の甲で丸め一つづつぱたぱたと薄く丸く大きく伸ばし、鉄板でていねいに焼いていたそうなんだ。

ぼくの住んでいた町でも、日本のお豆腐やさんのようなところがあって、買い物かごに皮を包む布をもったおばちゃん達が、トルティージャを買いに行くんだ。食事の時間になると山積みのトルティージャがあっという間になくなるよ。こういうところは、焼くところまで全部機械でやるんだけどね。

今僕は日本にあるトウモロコシの皮が気に入らないから、昔のやり方は出来ないけど、トウモロコシの粒を水に浸けて一晩寝かして、つぎに煮込んで機械で細かく挽き、それを良く練って、手製の圧延器で形を作って、焼くといった作業まで全て手作りでやっているよ。

具は、パストール(豚肉)、チョリソ(腸づめ)、チャモロス(すね肉)、ティンガー(とり肉)、ビステック(牛肉)の5種類。 食べ方はどうでもいいんだけど、トルティージャに具の肉をのせて、サルサ(メキシコのトウガラシで作ったもの)をかけて、くるくるっと皮を巻いて食べる。

日本ではレタスを入れる人が多いね。タコスはけっこうくせになるよ。食べ方はどうでもいいんだけど、どうやって食べるのって聞かれることがあるので、一応エルパソ流の食べ方を紹介するね

                                                           
ルイス
  タコスの食べ方