小さい頃食べるのをとても楽しみにしていた料理”モーレ”を紹介するね。メキシコの地方で結婚式があると、お年寄りがメタテという長方形の石うすでチレ、ピーナッツ、ゴマ、アーモンドなど20種ほどの材料を丁寧にすりつぶしじっくり煮込んでモーレのソースを作っていたのを、思い出すんだ。
また、この日のために育てた大切な七面鳥を、そのソースと一緒にさらに煮込むんだ。
こうして結婚式にかかせないモーレが出来上がるんだけど、ちょっと残酷かな。
でも、これが風習なんだ。
新郎も新婦も心のこもったこのモーレは一生忘れないというから。 こんなことが頭に焼き付いているんで、ぼくもこの料理を作るときは、微妙な味に苦労しながら一生懸命になってしまうんだ。
もちろんエルパソでは七面鳥でなくて 鶏肉になるけど。 |